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2021/04/15 09:57

こんにちは!ソムリエくんこと神沼です。#日本一サッカーが上手いソムリエ
おととい勝沼醸造さんへ行ってきました。

もともと前職時代から取引をさせていただいていたワイナリーさんで、営業部長のじゅんさんとはよく一緒に仕事をさせていただいていた仲。

じゅんさんは男気があって、芯がえげつないくらいしっかりあって、ぶれなくて、だれにも屈しない。そうゆう生きざまにぼくは惹かれていた。

今回勝沼さんに訪問した理由は二つあって、ひとつは勝沼醸造の圧倒的な信念を学びに行くこと、もうひとつは相方にワインの本当の魅力を知ってもらうこと。


それでは勝沼醸造の旅へ出発。


よこすかから車で2時間(150km弱)。意外と近かった。普段亜細亜大学に行ってるのにちょっと毛が生えたくらいの感覚。


ここが勝沼醸造の門構え。風情がえぐい。勝沼醸造の目標は世界に通用するトップブランドになること。それを逆算したときに日本の和文化、歴史を重んじたワイナリー設計に至ったという。


畑をバックにここで試飲もできる。畑との間に川が流れてるんだけどこれがまた良い。川の流れる音とか畑の自然が生きている感じとか、すごくゆったりと時の経過を感じれる空間。ここでのむワインは絶品だね。



じゅんさんに勝沼醸造のすべてを語ってもらいました。


これは甲州の畑。勝沼は雨が多いので、棚仕立てにすることで土にたまった雨の湿気がぶどうにつかないようにしている。また、収穫の際の農家さんの負担を軽減できる仕立て方法。

間違えてほしくないのは甲州は日本固有の白ブドウ品種の名前。地名でも甲州があるからややこしいんだけど、勝沼醸造が造っている白ワインは甲州という品種の白ワイン。この”甲州”という日本固有の品種で世界に挑んでいるのが勝沼醸造です。



ここは勝沼醸造本社の二階部分。蔵になっていて脇にはリーデル社のグラスがずらりと並んでいる。世界でもトップのグラスメーカーであるリーデル社が勝沼醸造の甲州に合うグラスを開発。世界トップブランドを動かす勝沼醸造。やはりすごい。


このあと甲州グラスとテイスティンググラスをつかって比較試飲の勉強。見ての通りがっつり12種類もテイスティング。甲州グラスは口がしぼんでいて香りが取りやすい。味わいとしては通常のグラスだと舌のアタックが手前になるので酸味を強く感じやすいが、甲州グラスは舌のアタックが奥から入るので酸味が穏やかになり、味わいもまろやかに感じる。これは何言ってるかわからないと思うので、実際にワイナリーに来て体験すべし。

※じゅんさんにバカ舌だなーと言われないように注意してね。


このとき時間は13時半。これからワイナリーのレストラン風にむかうのだが、その時にはもうすでに酔っぱらっているというね。


レストラン風にて食と甲州ワインのマリアージュ体験。


フレッシュな甲州とお魚のカルパッチョの相性は言うまでもなく抜群。サラダの苦みとかハーブの要素ともバッチリ合うね。



レストラン風の名物といえばやはりローストビーフ。これに甲州の樽白をあわせるというまさに感動的なマリアージュ体験。お肉ってふつう赤でしょ?と思うんだがこれが甲州の樽白は合うんだ。お肉に負けない果実味はもちろんだが、樽がローストのニュアンスとボディをつくってくれるので、ローストビーフの脂の甘さと焦がした風味とばっちり合う。


食事をしたあとはいよいよ醸造施設へ。


醸造責任者はじゅんさんの兄である裕剛さん。実際にブルゴーニュにいって醸造の勉強もしてきており、ワイン造りに関してはかなりの変態。(良い意味でね)

醸造方法はいたってシンプルと語る裕剛さん。甲州の品種の特徴をしっかり出すためにはできるだけ自然な状態をつくってあげることが大事だと。この自然な状態をつくるのがワインは非常に難しい。なのでふつうは人工的な安定剤を投入することで状態の安定を図るのだが、裕剛さんはそれを許さない。裕剛さんの醸造方法はまるで「子育て」のようだった。

じぶんのこどもはできるだけ自由に育てたい。自由に自然に育ってほしい。だけど自由に育てれば失敗もある。その責任はおれがとるよ。

ワインをわが子のように愛して、丁寧に醸造する。

裕剛さんのワイン造りは圧巻でした。



レガシーを継承する。

勝沼醸造は1300年あるこの甲州というブドウの歴史を守り、つなげていく責任がある。そして甲州というブドウの伝統を守り続けるためには、栽培してくれる農家さんも守り続けなくてはならない。

勝沼醸造が取引している農家さんは実に150軒にもわたる。農家さんの経営を支えるために、そしてこの歴史をつなげるためにあえて自社栽培の比率をさげて契約農家さんを大事にする。

勝沼醸造が世界に勝負しているのは圧倒的な歴史と信念。

ここに勝るものはない。そりゃワインがうめーわけだ。心に響くわけだ。


「世界的に好まれる有名品種を日本でつくっても世界には勝てない。まず歴史がちがう。ただ、甲州というブドウには1300年の歴史がある。この歴史と勝沼の信念でおれらは世界に挑む。」


ワインの本当の魅力とは、圧倒的なストーリーと信念だとぼくは思っている。魂と魂でつながる感覚。想いと想いがこだまする感覚。

おれらは勝沼醸造の信念をよこすかで広げていく。